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沈黙は金。『靖国』を取り上げないサンプロ

Yasukuni

「報道とメディアを考える会」では、すでに報道された内容のなかで、疑問をもったこと等について、調査や検証、討議をすることにより、自分たちとブログを読んでくださる方のメディアリテラシー力を向上させたいと考えてきた。しかしメディアの内容には、「すでに報道されたものの分析」では、判明し得ないもう一方の作為があることに気づいた。それは「報道しないこと」、言い換えれば言及しないことだ。

映画『靖国 YASUKUNI』の上映中止問題について、4月6日放送のサンデープロジェクト(テレビ朝日)では「『表現の自由』を考える ──映画『靖国』上映中止問題」と緊急特集を組み、田原総一朗氏は、「世の中はね、この人たち(稲田議員など)が弾圧してこの映画をつぶしたといわれている」と発言。『靖国』上映中止問題をめぐり、岡田  裕 (映画「靖国 YASUKUNI」配給協力・宣伝 アルゴ・ピクチャーズ社長)、加藤 紘一(自民党元幹事長)とともに、ことの経緯や、表現の自由・事前検閲について討議を行った。
また4月10日に行われた「政治的圧力・上映中止に抗議する緊急記者会見」には、リ・イン(李纓)監督とともに呼びかけ人として出席し、「隠し撮りをせずに正面から撮っている。ナレーションも一切なく、現場の声しか入ってない。この映画を偏向だとか反日映画だとか言うのは大きな間違い」(08.04.11/eiga.comより)と発言。多くのメディアで取り上げられ、視聴者・国民に「表現の自由」や「靖国問題」を考えるきっかけをつくったといえるだろう。
しかし刀匠の刈谷直治氏が「上映を了承したとは一言も言っていない。出演場面と名前を映画から削ってほしい」(08.04.11/産経ニュース)など、了承を得ていないことが報道されるようになってからは、沈黙を始める。
そしてきょう、4月13日のサンデープロジェクトでは、映画『靖国』に一言も触れなかった。
映画『靖国 YASUKUNI』の上映中止が各方面で論議されている最中、先週は緊急特集を組み、また呼びかけ人として記者会見に参加した田原総一朗氏が、メインキャスターを務める番組でなんらかの言及をするのではないか……と期待するのは、田原シンパを含め番組視聴者の一般的な感覚だろう。
このまったく「言及しない」不自然な行為に、田原氏がおかれている微妙な立場と問題が見え隠れするように思う。

「取り上げない」
「言及しない」
「応えない」
これは、妻に浮気を突き止められた夫が、否定も肯定もしなければ、嘘をついたことにはならないという論法と同じ。
「沈黙は金」とはいえ、浮気の「事実」は消えることがない。

ジャーナリストや番組制作者は、日々接する膨大な情報を取捨選択し、我々視聴者の前にニュースや課題を提示する。取捨選択はもとより表現も自由だ。
しかし、発言の影響力からみた視聴者への責任や、メディアを読み解くという観点からみれば、大きな問題であることに違いないだろう。
「報道とメディアを考える会」では、今後は、「沈黙の意図」や「報道しない恣意」についても、目を向けていくつもりだ。

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コメント

ジャーナリストとしては下の下ですね・・田原総一朗。

この程度の内容の映画で『表現の自由』だ・・云々言える様なモノではないしもっと露骨な物なんて幾らでもある。

完全な論点のすり替えですよね。

国を金を使って老人を騙して映画を作った事が一番の問題。

志那人が自分のお金で何を作ろうが勝手だが今回のケースは許せない。

投稿: 中国地方〇取出身 | 2008年5月 7日 (水) 04時08分

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