★小沢隠し資産「物件めぐり」レポート
◆「なぜ」マスコミはレポートしないのだろう
7月上旬、民主党代表小沢一郎氏が、隠し資産報道をめぐって全面敗訴したニュースを入手して以来、我々メンバーは、折りに触れ、TVや大手新聞などで「なぜ報道されないのか」を議論してきた。
といっても、報道しないマスコミ各社の「圧倒的傾向」を前に、一定のベクトルが働いていることは推測できるものの、ある種の「風聞」から結論に至るわけもなく、「なぜ」「なぜ」「なぜ」「なぜ」と、謎は深まるばかりだった。
そこで我々は、裁判の元となった『週刊現代』の長谷川学氏の記事(2006.6.3)をはじめ、小沢資産問題に関する各種の雑誌・新聞記事を大宅文庫等で収集。また協力者から、小沢一郎氏が2007年2月20日に行った記者会見のレジュメ「事務所費の公開に当たり」の提供があり、これらの資料から、都内の物件については、赤坂周辺の狭いエリアに集中していることを確認した。また、人の書いた記事を読んでばかりいてもらちがあかないので、物件名等から住所を探し、この目で見てみようということになった。
真夏日が続くヒートアイランド東京の一日。我々は赤坂周辺の物件を歩いてみた。その結果は、映像レポートのとおりだ。
レポーターは「私に10億円あればこういったマンションにmistressの1人や2人住まわせてみたい」と冗談でコメントしたが、これはあながち的外れではない。デュオ・スカーラ赤坂(港区赤坂2-8-12/IFにはアクアティックというレストランがある)をGoogle のストリービューで見てほしい。ほんとうに夜の赤坂で働く女性が住んでいそうなマンションがほとんどで、1軒訪ね歩くごとに「政治資金で購入する」ことへの疑問は増幅してゆくばかりだった。
◆ コンプライアンスの観点で考える
仮に、政治資金団体所有で脱法行為はないとする小沢氏の言い分を聞くとしても、ほとんど使いもしない都心のマンションを買い漁ることは、いたづらに都心の不動産価格をつり上げることにつながる。この行為を、国民の生活を守る立場の政治家や政治資金団体が行うことの是非、つまりモラルの問題が残る。
言い換えれば、政治資金団体が不動産投資を行うこと自体想定されていなかったからこそ、「権利行為なき社団」である政治資金団体は不動産登記もできないし、税制優遇もある。付け加えれば、政治資金団体には、我々一般の個人・法人のような申告義務はなく、収支報告の届出が必要なだけだ。
つまり、政治資金団体が不動産をもつという概念がないからといって、議員が個人名義(小澤一郎)で登記することは、国家のベースである“法の精神”を踏みにじる行為であることは、明言できる。
多方面でコンプライアンス(法令・規範の遵守)の重要性が求められているいま、法の精神さえ犯している人物に、血税の使途をはじめ国家の舵取りを任せてよいものかどうかは、有権者個々の判断を待つべきだろう。が、これについての報道がなされなければ、国民の「知る権利」も正しい判断をする「機会」「権利」も奪われていることになる。
このほか、不動産投資に詳しいメンバーからは購入価格と時期、家賃設定等についても疑問が出た。これについては、東京カンテイのデータ等を入手できれば、妥当な金額であったかどうか判明するに違いない。
また、一部の週刊誌が報道してきたように、自由党から民主党へ移行した際の政党助成金との関連については、さらに(マスメディアによって?)探求されるべき課題であるはずだ。
◆ 素人がレポートする意味と権利
ところで、我々の活動、とくに今回の小沢隠し資産問題のレポートに対し、例えばこんな批判が寄せられる。
「素人が論議して、、、いま正に政権奪取しようとする民主党に有利ですか? 政権を取ってからにしてくれませんか!(苦笑) 」
民主党に政権をとらせたい人や小沢氏を首相にしたい人の意見を聞くと、こういった理性を欠いたものが少なからずある。
これに対し我々は、まず「報道されない」ことに対する疑問に、問題提起の核があることを伝えたいと思う。
また、我々が素人かどうかに関わりなく、情報公開とIT化がすすんだいま、有権者である個人やグループが、自主的に情報収集することはひと昔前に比して格段に容易になったし、インターネットを活用して情報発信も簡単にできる。ましてプロが「報道しないこと」に対しては、自主的にアプローチするしか方法がないではないか。「表現の自由」はすべての国民の権利でもあるのだ。
このほか、これまでの映像レポート(おぼろ大橋・白鳥大橋)では「結局何が言いたいんだ」といったコメントやメールが寄せられることが多い。これに対する答えも、明快だ。
我々は、メディアを読み解く力をもちたい。またメディアを読み解くちからをもつ人が一人でも増えてほしい。とくに政治報道を読み解くちからは、国民一人ひとりの有権者、ひいては将来の日本のための重要課題だと思う。
そのための材料や視点の提供であって、わかりやすい結論や誘導、偏向した意見を押しつけることが目的ではない。
さらに付け加えれば「わかりやすく加工された」マスメディア頼みでは、エンタテイメント性が優先される内容や偏向を、容認することになる。
とくに「報道されない」ことの裏に、本来は国民が知るべき真実が隠されていると確信するに至った。
我々は今回の小沢一郎民主党代表の「隠し資産問題」の資料分析や取材を通し、さらに深い闇(もしくは迷宮)に足を踏み入れてしまったことを自覚した。また、ある種の「恐怖」さえ感じてもいる。
しかし、ここで中断するわけにはいかない。
これからの日本をかたちづくる注目の選挙を前に、一人ひとりの投票行動のための確かな判断材料が必要だからだ。
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コメント
小沢が不動産を買っていた。それは職員の寮として、 程度の認識しか持っていなかった私たち国民にちゃんと教えていただきありがとうございました。
投稿: 世田谷区深沢在住 | 2008年8月21日 (木) 08時30分
このニュースの事は知っていましたが
裁判の判決については 知りませんでした
明らかにマスコミは隠したとしか言いようが
ありません。
これは異常事態です。
マスコミと野党が吊るんで不正を隠すのは
言論の自由の侵害であり
国民に対する明確な裏切りであります。
ありがとう ございました。
投稿: piyo | 2008年9月 7日 (日) 16時30分
敗訴確定!で党代表戦3選確定!!こんな人、また対抗馬も出せない民主党にはに国は任せられないでしょ。。。
しかし、報道しない(できない?)、マスメディアには情けないというか、小沢氏以上に、腹立たしいですね。
このレポートに携われた方々に感謝するとともに、これからも勇気ある報道に期待します!
投稿: 通りすがりの有権者 | 2008年9月 8日 (月) 16時47分
民主党・支援団体
(連合)
(UIゼンセン同盟)
(自治労)
(自動車総連)
(基幹労連)
(情報労連)
(JP労組)
(JR連合)
(全日遊連)
(日遊協)etc...
「中共」「自治労」「日教組」「朝鮮カルト」「マルチ業者」と魑魅魍魎・売国民主党。
民主党の闇をタブー化させてはならない!
健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟顧問 山岡賢次
http://www.npu.gr.jp/giren/index.html
http://www.npu.gr.jp/giren/yamaoka.html
http://blog.livedoor.jp/miraikan/archives/25537440.html
NYタイムズ社説「けんか好きな国粋主義者」に外務省反論
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080929-OYT1T00788.htm
「大西 哲光」(wiki) ニューヨーク・タイムズ東京支局長兼ソウル支局長 。
千葉県市川市の朝鮮部落出身の在日朝鮮人。
4歳のときに両親と共にカナダに移住している。
スイス政府編集「民間防衛」に学ぶ
(日本が敵国から武力以外による攻撃を受け、破滅へと導かれないように)
http://nokan2000.nobody.jp/switz/index.html
投稿: 1972 | 2008年9月30日 (火) 21時12分
週刊現代が、10月4日号で、小沢氏の深沢の物件などについて追求。
阿比留さんが「国を憂い、我と我が身を甘やかすの記」ブログで、現地を実地踏査したレポートを書いていらっしゃいます。
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/731962/
投稿: 報道とメディアを考える会 | 2008年10月 2日 (木) 23時14分
全物件の地図はこちらです。
http://maps.google.com/maps/ms?msa=0&msid=108824507959694154182.00043c08b030bf8a88706
投稿: 通りすがりです | 2008年11月 5日 (水) 11時51分