経済・政治・国際

2008年8月 9日 (土)

★小沢隠し資産「物件めぐり」素人レポート

続きを読む "★小沢隠し資産「物件めぐり」素人レポート"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月 1日 (金)

◆ほんとの姿を見せてくれ───政党発ネット考

続きを読む "◆ほんとの姿を見せてくれ───政党発ネット考"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月24日 (木)

☆小沢「隠し資産疑惑」裁判。判決文を見た。

6月4日、民主党小沢一郎代表が、『週刊現代』(講談社)に敗訴した、東京高裁(つまり2審)の判決文を見る機会を得た。
控訴人や非控訴人、弁護人の名がずらりと並ぶ1ページに続く、2ページの「主文」を見て、苦笑してしまった。
曰く「本件控訴をいずれも棄却する」
曰く「控訴費用は控訴人らの負担とする」
という2行。控訴した小澤一郎(通称:小沢一郎)氏らの「全面敗訴」であることが、あまりにも明確に、短文で提示されていたからだ。
立場を変えて小澤一郎氏側の立場に立って考えて見れば、勝てないまでも落としどころがあると読んで始めた裁判なのに、「けんもほろろ」な判決だったことが想像できる。

■控訴内容は小澤氏と民主党合計で6000万円と金利

控訴内容は、
1) 小澤氏(個人)に対し、3000万円と、当該記事の雑誌発行日(2006年5月23日)から支払い済みまで年5分の利息を支払え。
2) 民主党に対し、3000万円と、当該記事の雑誌発行日(2006年5月23日)から支払い済みまで年5分の利息を支払え。
3) 控訴人が用意し、条件を示した謝罪広告を、週刊現代のほか、朝日、読売、毎日の各新聞に掲載せよ。

……というもの。
つまり、名誉毀損により、小澤氏個人(3000万円+利息)、民主党(3000万円+利息)と謝罪広告を求めていたものが、東京高裁へ上訴までしたのに、あっさり棄却されたわけだ。

■ 事実をもとにした意見は名誉毀損ではない

判決文のうち、「事実及び理由」では、週刊現代の記事や広告等の内容を子細にわたり点検・検討するもので、記事等から、知っていることがほとんどだった。
ただ、注目したのは「事案の概要」の2「記事による名誉毀損における違法性及び故意過失」。我々なりに「翻訳」すると以下のようになる。

● 事実であることの証明がなくても、執筆者が事実と信じるにたる理由があれば、故意や過失で名誉毀損したとはいえない。
●事実をもとに、公共の利害や、公益を目的に執筆(表現)したものであれば、故意または過失で、名誉毀損したことに当たらない。
●事実を前提とした意見や論評によって名誉毀損にあたるかどうかは、読者の判断にまかせられる性質のもの。

──というもの。
週刊現代の記事の、詳細な調査や多面的な取材を読んで、我々が感じたことと遠くない。つまり、きちんと調べ、また反対意見を含めて構成している事実に基づいた記事には、ある種のジャーナリストとしての「誠実さ」が感じられ、それを名誉毀損で訴えるのはおかど違いでは?ということだ。
尚、小沢氏側は、判決に不満であれば、判決から2週間以内に上告できたはずだが、上告は見送った。つまり判決を受け入れたということだ。


■ なぜ、首相にならんとする人物の裁判が報道されない?

それにしても、なぜ、一国の総理にならんとする人物=小沢一郎(小澤一郎)氏の裁判について、テレビや主要新聞(共同通信と産経新聞はのぞく)は報じなかったのだろう。私たちは「国民の知る権利に奉仕する」というマス・メディアの使命・役割を信じている。いや、信じたい。
調べれば調べるほどに、なぜ報道されないのかに立ち帰ってゆく。
ネットのブログ等では、さまざまな理由が挙げられている。しかしそれらの大半は、無責任な「床屋政談」であって、我々がその信憑性を確認することが難しい。

ちなみに、平成19年2月20日の事務所費の公開に当たっての記者会見で小沢一郎民主党代表は、「いずれにしろ、報道機関の皆様には、いかなる場合においても、私の意志がきちんと実現されるよう、今後、厳しく監視していただきたく宜しくお願いいたします」と締めくくった。

この「お願い」に応えているのは、週刊現代や週刊新潮などの一部の週刊誌が主だ。小沢一郎氏自身が、そう要請しているのに、なぜ、TV局や朝日や毎日、読売新聞などの報道機関は動かないのだろう。

あまりの迷宮と問題の根の深さに、疲労が募るばかりだ。

続きを読む "☆小沢「隠し資産疑惑」裁判。判決文を見た。"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年7月18日 (金)

☆小沢代表が敗訴した「記事」を入手(pdf付き)

民主党小沢一郎代表が敗訴した「隠し資産」に関する東京高裁の判決内容を知りたいと考え、裁判所の「判例検索システム」(判例データベース)に掲載されるのを心待ちにしていたが、掲載は見送られたようだ。
法律関係の仕事をしている知人に聞いてみると「すべての判決が掲載される訳ではない」そうだ。我々のように、(報道で取り上げられない)国会議員に関する裁判の内容を知りたい……という動機は、データベース公開の趣旨とは異なるということらしい。国民の税金で運営されているのだから、こういった国民の知る権利に応える裁判所であってほしい。

◆ 丹念な取材・調査に基づいた『週刊現代』記事

そこで、裁判の元となった『週刊現代』の記事「小沢一郎の“隠し資産(6億円超)”を暴く ジャーナリスト 長谷川学」(2006.6.3)を確認することにした。
5ページにわたる記事中では、表組みで「小沢一郎・蓄財の歴史」と「小沢一郎・全資産(マンション/土地・建物)」が紹介され、また地元後援会長の談話や小沢事務所の回答もあり、丹念な取材・調査に基づいて、事実をたんたんとレポートしているという印象を受けた。名誉毀損にあたらないという裁判所の判断もうなづける。
記事のコピーはpdfにして添付したので、小沢氏を支持している人、支持しない人の双方に、ぜひ目を通してほしい。

◆隠し資産問題とは名義の付け替え

問題をまったく知らない人のために、小沢氏の疑惑を簡略に解説すると(といっても長い)───
小沢氏の政治資金管理団体「陸山会」が所有するとされる、都内一等地等計10戸のマンション(購入価格約6億1000万円)について、政治団体は権利能力なき社団、つまり法人格がないため、「小澤一郎」個人名義で登記している。しかし、政治資金規正法では、政治団体は資産として土地や建物を計上してよいことになっている。
そのため、この資産について、「陸山会」の収支報告書には記載されているが、小沢氏個人の議員としての「資産等報告書」には記載がない。
この方法をとると、小沢氏の死後、相続の対象である個人資産となる可能性を否定できないほか、政治団体には税法上の優遇措置があるため、「税金逃れ」や「資産隠し」ととられてもいたしかたない部分がある。また政治資金団体の資産について、国税局もタブー視しているといわれる。

つまり、法律自体が矛盾しているなかで、小沢氏は、合法ではあるが、制度の欠陥をうまく突いた資産運用=高度な財テク法を行っている可能性が大きいという訳だ。

◆問題の本質は、資産運用の是非

種々の週刊誌報道などを含めた報道記事を振り返ってみると、この「資産名義の付け替え」をもとに、さまざまな疑惑が浮かび上がっているようだ。例えば、登記上の「小澤」という旧字の表記と「小沢」の使い分けなど、どれも細かく、複雑なもので、素人には分析が難しい。

2007年2月、小沢氏は事務所費公開にあたり記者会見で「不動産は個人所有していない」と明言したことは、新聞の一面などで報道されたので、記憶に残っている人も多いのではないかと思う。
しかし問題は合法であるかどうかではなくて、献金によって成り立ち、優遇税制のもとにある国会議員の政治資金管理団体が、大量の不動産を取得して資産運用すること自体の是非だろう。
国民の理解を得られるかどうかがポイントだと考えられるが、TVなどで報道されなければ、国民が知る機会も少なく、したがって論議の機会さえも奪われしまっている。TVの報道番組、例えば我々国民の見方を自認する「報道ステーション」にもぜひ解明して欲しい課題だ。

◆ 1億円超の物件をぽんと寄付

 ところで、2007年7月、政治資金規正法が改正され(1月1日に施行)、「資金管理団体による不動産の取得等の制限」が追加された。
「第19条の2の2 資金管理団体は、土地若しくは建物の所有権又は建物の所有を目的とする地上権若しくは土地の賃借権を取得し、又は保有してはならない」(平成19.7.6法律107号)というものだ。

 また、先週発売された『週刊新潮』(「密かに『疑惑事務所の処理』を始めた小沢代表の『総理戦略』」2008.7.17)では、問題となっているマンションの一つ、「グラン・アクス麹町」の物件は、7月1日、陸山会から、テナントとして賃貸していた「ジョン万次郎ホイットフィールド記念 国際草の根交流センター(会長:小沢一郎)」に寄付され、移転登記されたことを報じている。

 これまで、小沢氏(または資金管理団体)の資産は、「いざ政権を獲るときに活用しようという前提で残している」(小沢氏の資金管理団体の会計責任者平野氏談話 『週刊文春』2007.10.25)と説明されてきた。
 隠し資産疑惑について、強気の説明をしてきた小沢氏も、政権奪取を目指した衆院選を前に、国民の理解が得られるように身綺麗にしておこうということか。
 しかしそれなら、売却して民主党に寄付してもよさそうなもの、と考えるのは、いまだ政治家に夢を託そうとしている庶民の感覚か。

*pdfもあわせてお読みください。

続きを読む "☆小沢代表が敗訴した「記事」を入手(pdf付き)"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年7月 6日 (日)

♪番外「独り言」──アンタッチャブルOZAWA

◆ 小沢代表&鳩山幹事長のホンネ漫才?

1か月ちょっと前の話──。こんなニュースがあった。

「『キミの財産をよこせよ』。政権交代を旗印にして次期衆院選に向けた対策を急いでいる民主党だが、選挙資金の金策に頭を悩ます小沢一郎代表が最近、冗談めかして鳩山由紀夫幹事長に私財提供を求める一幕があった。
 鳩山氏は政界でも有数の資産家だが、すかさず「代表も(東京都港区内などに複数保有するマンションなどの)建物を売ればいいじゃないですか」と反論。小沢氏は『売ってもそんなにカネにならないよ』と弁解したという。」(後略「msn産経ニュース」2008.5.29 00:27より)

「白鳥大橋」の映像レポートのための取材の際、寂しげな東室蘭の町中に、結婚式場かホテルかと見まがうようにそびえる「はとやま会館」(鳩山由起夫事務所)を見てきた我々は、TVニュースワイドによくある人形をつかって、このやりとりを再現したい衝動に駆られた。強面の小沢代表と、インテリ風の鳩山幹事長のかけあい漫才は、爆笑問題より面白いに違いない。
ちなみに、室蘭市の「はとやま会館」(ビルの表示にあった名称)に隣接して、イオン北海道(株)の大型ショッピングセンター「ポスフール」がある。人通りも少ない憂愁のまち「室蘭」にあって、なんとも異様な光景だった。

◆「小沢の隠し資産を暴いた週刊現代が全面勝訴」むむむ……?

室蘭市の「はとやま会館」が鳩山由紀夫民主党幹事長個人の所有する不動産かどうか、「いまのところ」我々の関知するところではないが、たびたび週刊誌などを通じて噂されてきたように、小沢代表が個人名義で所有している不動産への興味はつきない。
しかも、いまごろになって、ひっそりとこんなニュースをみつけた。

「新聞・テレビはほとんど報じなかったが、政界動乱の主役である民主党の小沢一郎代表にとって大きなダメージとなる判決が6月4日に下った。いわゆる小沢氏の不動産問題を取り上げた「週刊現代」の記事で名誉を毀損されたとして、小沢氏と民主党が講談社と著者の長谷川学氏らを訴えていた。その控訴審判決で、東京高裁(柳田幸三裁判長)が「記事は真実であり名誉毀損に当たらない」として1審の東京地裁判決を支持。小沢氏側の請求は棄却され、講談社側が勝訴したのだ。」(後略/総合情報誌[ザ・ファクタ]2008年7月号)

[ザ・ファクタ]の記事本文でも触れられているように、このニュース、ほとんど報道されなかった。産経新聞の阿比留瑠比さんの実名記者ブログにも、月刊Will8月号のジャーナリスト尾形真人氏の記事の紹介とともに、「実はうかつなことに、私はこの判決について当日は全く気付かず、ようやく2週間後になって関係者に聞いて知った次第でした。」(2008/06/29)とあるから、我々市民レベルに届かなかったのは、いたしかたないということか。

@Niftyの新聞記事横断検索で確認してみたところ、判決の翌日、6月5日に報道されたのは、わずかに8件。つまり共同通信のほかは、北海道新聞・秋田魁新報・静岡新聞社・中日新聞社(東京・大阪の2件)・中国新聞社・熊本日々新聞社は、文面からみて共同通信の配信を掲載したものだけだ。また、6月21日になって、ようやく全国紙のなかで、産経新聞が取り上げている。

◆メディア自身もアンタッチャブルになれ!

それにしても、こんな重大ニュース、なぜ、報道されないのだろう。
2大政党制が射程に入った選挙を控えているいま、政権交代を目指す政党の党首が信頼に足る人物かどうか、国民の関心がないはずがないだろう。
まだ、報道の使命が「国民の知る権利」に資することにあるとすれば、当然取り上げるべきニュースであるはずだ。

しかし、報道する側の作為とマスコミ諸氏の「アンタッチャブル」がここにある。民主党、とくに小沢代表については、「触れない」「報道しない」ことで、ある種の隠蔽や、世論誘導している面があるといえるのではないか。
例えば、先の岩手・宮城内陸地震で、不幸にも工事現場の作業員が亡くなった胆沢(いさわ)ダムは、小沢一郎氏の選挙区にある。この国土交通省事業は、これまで、民主党の国土交通省事業批判や、マスメディアで取り上げられたことはほとんどないだろうと思う。
「アンタチャッブル」が、まかりとおってしまう実態が存することについて、室蘭で「白鳥大橋」(白鳥新道計画)をまのあたりにしてきた我々はよく知っている。

ちなみに、Untouchableを辞書でひくと、
1 触知できない;手を触れてはいけない.
2 (遠くて)手の届かない, 禁制の.
3 触るのもいやな, けがらわしい.
4 非難の余地のない;手にあまる, 無敵の, 無比の;((米略式))買収のきかない;疑う余地のない.
                    (プログレッシブ英和中辞典)
──とある。

アル・カポネの摘発に向かったエリオット・ネスらの「アンタッチャブル」は、毅然としたあり方が印象的だった(早川文庫 ドキュメンタリー・ノベル/映画の原作)。しかし我がマスメディア自身は、(疑う余地のない)アンタッチャブルにも、なり得ない。

なぜマスメディアにとって小沢代表の問題が「ご禁制」になっているのか、探っていく必要があるだろう。
民主党が真に政権政党足りうるか──を判断するための、つまり自分自身の投票行動のための正確な情報が欲しい。
しかし「第4の権力」という名の「象」に立ち向かう「蟻」でしかないことも、よく判っている。
さてと……

[参照資料など]
☆総合情報誌[ザ・ファクタ]
http://facta.co.jp/article/200807042.html

☆msn産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080529/stt0805290026000-n1.htm

☆はとやま事務所
http://www.hatoyama.gr.jp/indy_frame.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月18日 (水)

★まんまとはめられた視聴者──古舘vs自民党(4)

古舘キャスターが、自民党の抗議に対して報道ステーションの番組内で「釈明」を行った翌日の6月10日、新聞各紙の朝刊の他、ネットニュースなどでも、採り上げられた。
「テレ朝 自民党抗議に釈明」(読売新聞)、「古舘キャスター『本意ではない』」(毎日新聞)のほか、日刊スポーツの文化・芸能面では、「古舘氏自民に謝罪なし」と、どの媒体も、謝罪ではなく、「釈明」でしかなかったことを明確にしている。日刊スポーツ等、釈明の文言を詳しく説明する記事もあったものの、「かりゆし画像」の取り違え(もしくは故意の挿入?)について言及しているものはなかった。つまり、報ステ・古舘氏の問題すり替え発言や意図にのせられた格好だった。

◆ 番組の思惑通りに「大人げない自民」へ非難が集中

これらマスメディアの影響もあってか、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の日記では、ニュースを題材に個人によって語られた「自民・古舘へ抗議問題」は、自民党への非難の方向に向かっているものが多くみられた。
例えばこんな論調──
「ムキになっている自民党はみっともない」
「こんなことで自民党が激怒して(党役員会の)無期限撮影禁止するなんて大人げなさすぎる」
「私は、この番組が公平で正確な報道をしている番組と思っていませんが、今回の件では、テレ朝を支持します。理由は後期高齢者制度を支持していないからです」
「庶民の苦しみを知ってか知らずか、テレビカメラの前でへらへら笑っているなんてひどい。古舘さんは人間らしく思います」
 極端なものになると、「言論弾圧」「言論封殺」などの激しい語調が踊っている。
 こういった見方は国民だけではなく報道機関のなかにもあったようだ。
 スポニチでは、「古舘氏に責任転嫁? 自民党テレ朝締め出し」のタイトルの記事中で、「過剰反応と言わざるを得ない。過去に遺恨があるテレビ朝日だから余計にムキになっているのでは。大人げない対応は国民に悪印象を与えるだけで逆効果だ」(Sponichi Annex/2008.06.07)と、政治評論家浅川博忠氏のコメントを紹介している。
 しかし。こういった自民批判のブログや記事のなかでは、かりゆし画像の「取り違え」もしくは「故意の挿入?」についての言及は、すっぽり抜け落ちている。
 感情的な論調が目立ち、報ステの「シカト作戦」に乗せられてしまったかのよう。繰り返しになるが、問題の核は、無関係の映像を挿入したことと、沈黙を経て問題発言へ続く「流れ」(演出)にある。

 ニュースを題材に書かれた大多数の日記やブログの論調を見て、ある種の恐怖を覚えたという人もあった。「恐怖感」は、自分の頭でジャッジする力を奪われた国民・視聴者があまりに多すぎることに対してのものだ。我々も同感である。

◆ 冷静な反応の市民に耳を傾ける

 一方、冷静な反応もなかったわけではない。
「私も長寿医療制度に反対。しかしそれとメディアの意識操作と洗脳は別物」
「古舘は、言い訳ばかりで何がいいたいのかわからない。印象操作は流してしまった。意図的に映像を使ったとはいえるはずないということか」
「わたしは後期高齢者(長寿医療)制度については再考の必要があると思っている。しかしテレ朝の行為は放送法違反」
「娯楽性を旨とする番組は国民の知る権利を著しく阻害している。番組の方にペナルティがかけられないのが不思議」
……等々。後期高齢者制度への賛否と番組の印象操作問題は別であることを明確に認識している。 
 また自民党の対応については……
「あそこまで印象で政治をかたる番組をつくられれば怒るのは当たり前。嘘を平気でたれ流すに等しい編集を平気でする訳だから」
「自民党を一般企業に置き換えれば、取材拒否は妥当。党内だけで国会ではないし、放送権を取り上げている訳じゃない」
 と、極めて理路整然と、現実を直視している。しかしこういった意見はむしろ少数派だったことを残念に思わざるをえない。

◆ あらためて報ステ・古舘の倫理を問う

 あるブロガーは、長寿医療制度に関し「誰が」「いくら」負担するかの議論では問題解決にならず、切迫した財政状況のなかで、医療費問題について根底から議論すべきと指摘。国のグランドデザインなど、議論のための材料を提供することなく、映像挿入による印象操作まで行うことに疑問を呈していた。
 我々「報道とメディアを考える会」でも、番組録画の再視聴や文字おこし、新聞などの媒体の報道を検証・確認するなかで、同じ結論に至った。
 つまり、「大人げない自民党」を演出することで、利するのは誰なのか……を冷静に考える必要がある。 
 名誉毀損にあたるかどうかは我々が判断するものではないが、少なくとも、「かりゆし談笑」映像と、明かにこの映像に被せた古舘らのコメントは、国民の立場のたった報道ではなく、実際に、国民の「知る権利」を阻害するものでしかない。また「釈明」報道によって映像問題を隠蔽し、視聴者の判断に任せるなどという「おためごかし」で「主張の上塗り」を繰り返したことは、さらに罪深い。

 自民党の抗議がなければニュースにもならず、我々でさえも「かりゆし談笑」が後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の会議時のものと、信じこまされた可能性が大きいことを、肝に銘じたい。
 報ステ・古舘と自民党、どちらが視聴者・国民の立場に立った情報を提供したかは、明白だろう。

◆古舘氏は、誰に奉仕しているのか?

 この連載についてメンバーで討議している最中、BPO(放送倫理・番組向上機構)から『BRC判断基準2008』が届いた。少しだけ紹介しよう。

■制作意図による事実の歪曲(Ⅰ企画・取材)
何らかのニュース性のある事件を契機に啓蒙的意図を持った番組を作ることは効果的であろうが、取り上げる事案がその制作意図にマッチするものであってはじめて効果があることであり、誤って制作意図にそぐわない事案を取り上げたときには、事案について正確を期そうとすれば、意に反して制作効果自体を減じることになるし、逆に制作意図に忠実であろうとすれば、意識するしないは別として、事実調査をおろそかにしたり、事実を歪曲することとなり、ひいては取り上げられた事案の当事者の名誉を毀損し、社会的評価を低下せしめ、その人権を侵害する結果を招くことになる。

■ 取材テープダイジェスト保存版による編集ミス(Ⅱ編集—1.事実の歪曲)
放送局は、番組の編集に当たり、事実を曲げないで報道する法律上の義務を負うものであり、素材テープのダイジェスト保存版から、さらに短縮編集するに当たっては、細心の注意を払って編集すべきであり、さらに編集されたVTRが、事実に即したものであるかについては、二重三重のチェック体制をとることが要請される
[関係資料]放送法第3条の2「国内放送の放送番組の編集等」3号「報道は事実をまげないですること」

 自民党では道路特定財源問題で、BPOに検証要請したことあるが、BPOではこの審議を見送った(詳しくは5月2日の当ブログを参照)。この経緯から今回は、放送局を構成員とするBPOへの通告ではなく、撮影のみの取材拒否という「自衛策」をとることにしたのではないかと想像できる。
 報道には「“国民の知る権利”に奉仕するという使命」があるとすれば、まさに放送法やBRC判断基準が示すように、「事実をまげないで」報道する倫理が確立できる別方策を検討するべき段階ではないのか。

それこそ古舘氏の口癖である「我々民間」では、ミスやトラブルが発覚した場合、以下のような対応をとる。
(1) 事実認識とすみやかな謝罪
(2) トラブルが発生した経緯や原因の徹底調査と公開
(3) 原因発生の分析に基づく対策を講じ、被害者に説明するとともに実行態勢を整える
(4) その他被害者(損害)に対する誠実な保障
以上の4点によって問題解決と再発防止を図り、顧客や社会の理解を得ながら、再生していくのだ。

 報道ステーションの「かりゆし談笑」映像のケースでは、(1)の事実認識に止まり、謝罪はもとより、トラブル発生までの経緯を、視聴者にも説明するに至っていない。連載の(2)で伝えた「厚生労働省の記者会見」画像の取り違えについても、謝罪はあったものの、「なぜこうした事態が起き」「今後、どう対策を講じるのか」についてはスルーだ。
 印象操作の直接の被害者である自民党ばかりでなく、私たち視聴者にも、謝罪と今後の再発防止策を提示し、徹底するのが報道の社会的責任からみても「スジ」ではないだろうか。

 我々は、番組録画等の検証を通し、報道番組の代表ともいえる「報道ステーション」(テレビ朝日)でさえ、このありさまであったことに、憤りを覚えるとともに、深い哀しみにとらわれてしまった。しかもテレ朝や報道ステーション・古舘氏の問題発言は、何度も繰り返され、見過ごされ、また再発の可能性のほうが大きい。
 狂騒するテレビ番組の煽情にのって、自民党をいたづらに非難しても、私たちの暮らしも、長寿医療制度も、よりよい方向に向かわない。
 冷静に事実を直視する、そのためのちから=メディアリテラシー力をつけようではないか。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年6月16日 (月)

★主張のためなら別映像の挿入は正当——古舘vs自民党(3)

 6月9日(月)、報道ステーション(テレビ朝日)では、4日の放送で、自民党から抗議が来たことに対し、古舘氏自身が「テレビをご覧の皆様に説明したく、時間をください」と、釈明を行った。

◆ 「釈明」内容を振り返る

 約4分間に及んだ釈明では、まず、問題箇所のVTR映像(=自民党役員連絡会で、かりゆしウエアで各委員が談笑している)を提示。この映像には、「報道ステーション6月4日放送」のほか、以下の放送時のテロップが被せられている。
「——後期高齢者で国が算出
 驚きの数値7割が負担減」
「与党:9日参院で問責決議案可決の場合
 →衆院に新任決議案を提出
 →10日に可決成立の構え」
この後の古舘氏の発言を文字に起こししてみた。

       *       *       *

このVTRの後です。えースタジオに来てカメラが私を捉えて私は「よく笑っていられますね、えらい政治家の人たちは」と発言をしました。それに対して自民党から抗議が来たわけです。
え、確かに、今ご覧いただいた自民党の党役員連絡会の映像は放送の前日の模様であります。
そして、開会前の雑談風景であり、後期高齢者医療制度について話し合って笑っている映像ではありません。したがって、自民党はそれが名誉の毀損にあたるというふうに抗議をしているわけです。
もし、そのように受け取られた視聴者の皆様方がいらっしゃるとすれば、それは私の本意ではありません。

私が発言した意図というのは、今、国政全般にわたって政治家の人たちが、笑っていられる局面など何一つない、多くの国民を痛めつけるような結果、長きにわたる政治の無策、そして果たして本当に血の通った政策・施策を行っているのか、様々な問題に対して真摯に対応しようとしているのか、その1点を申しあげたかっただけであります……

       *       *       *

──というものだった。「釈明」の趣旨を整理してみた

(1) 発言の意図を説明しただけで、謝罪はない。
(2) 「かりゆし談笑」映像と「よく笑っていられますね」発言は本意ではなく、名誉毀損にあたるかどうかは、視聴者の判断。
(3) 関係のない映像を挿入したことは認めたが、これについて「間違い」で入れたという認識はない。
(4) 主張(=笑っている状況ではない)を説明するためには、別映像を挿入する手法は、「正当」という認識

我々の前回のレポートにある厚労省記者発表に関する「間違い画像」の時の「謝罪」と読み比べてほしい。前述の釈明のあと、古舘氏の発言は下記のように続く。

       *       *       *

 かくいう私も大変未熟です。この番組が始まって以来、多くの視聴者の皆様方からお叱りの言葉をいただき、それを糧に成長させてもらってきたと思っています。これからもそれで成長していくんだというふうに思っております。
 私たちメディアも確かに様々な反省点があります。大いにあります。しかしこの局面にあって政治も私たちメディアもここは一つになってですね、国民にとってまず必要不可欠な政策、具体的なアイディア、国の方向は何なんだということをですね、前向きに一緒になって考えていくべき局面ではないでしょうか。皆様方は、どうこれに対して考えますか。

       *       *       *

 古舘氏は、別映像挿入については多くを語らず、問題を政治局面にすり替え、判断を視聴者にゆだねることで、自らと番組の正当性を主張するに至った。
 古舘氏の発言にあるように、我々「報道とメディアを考える会」でも、現在は、「前向きに一緒になって考えていくべき局面」だと考える。
 しかし、別映像の挿入によって、一定の意図に沿った編集が日常的に行われていると考えれば、「政争の具を再生産」していることにほかならない。
 厚労省記者発表の画像の間違いについての古舘氏の謝罪を引用しよう。
「こういった基本的な間違いが度重なれば、これは、視聴者の皆様方を欺くことになってしまいます」
 テレビはつくづく怖いメディアだ。
 文字に起こせば判ることでも、市民の味方を演出した編集映像をたれ流すことで「かりゆし談笑」の件は隠蔽されてしまい、この後「大人げない自民党」のイメージが増幅されてゆくことになる。
 真に視聴者・国民へ判断材料を提供する報道姿勢はどこにもない。
 次回(最終回)は、ブログなど市民の反応について。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年6月15日 (日)

★ウソの上塗りでも「バカな視聴者」は気づかない?——古舘vs自民党(2)

6月4日、報道ステーションの後期高齢者医療制度についての報道で、問題となった古舘発言(=「よく笑っていられますねえ」)の箇所以外にも、故意に世論誘導をしたと思われる画像を挿入した箇所がある。
自民党では、5日午後に、古舘氏の問題発言箇所を指摘。この日の夜の報道ステーションでは、厚生労働省記者発表画像の間違いについて、キャスター古舘氏によって、謝罪が行われた。
前日のVTRも再現した。
ところが──。
どうみても映像編集のマジック(割愛など)を利用して、謝罪というよりは、さらに報ステなりの主張や、古舘氏の「市民の味方」という正当性のアピールが主眼。謝罪と銘打ちながら、元々の作為を上塗りする作業を行っているとしか見えなかった。

前回と繰り返しになるが、4日の当該写真について録画の再生から解説すると……。
後期高齢者医療制度について、この日に厚生労働省から発表された「サンプル調査」についてのニュースの冒頭で、画面に大きく映し出されたの右上スチール写真(A)だ。
写真Aは、青いカーテンをバックに、男性3人が、下や横を向いたような絵柄で、なんとも申し訳なさそうというか、やる気がなさそうというか、記者団と目を合わせられないといった構図で、そこに赤地に白抜きの文字で大きく「7割の世帯が負担減」の文字が躍っている。
そして数秒後には、右上に縮小された3人写真A、左下には、同じ青いカーテンのバックで、左から、男・男・女・男の計4人が並んだスチール写真(B)が同時に掲載され「厚生労働省午後3時過ぎ」のキャプションもある。
つまり、厚労省スタッフの、人員・人数の異なる写真A・Bが2枚同時に映し出された。
問題となった3人写真Aは、古舘氏が5日の番組で「私どもが間違えて掲げてしまったこの写真は、同じ会場で直前に行われた厚生労働省内の人口動態調査に関するものでありました。」と釈明している。
つまり、ケアレス・ミスという主張。4人の写真Bは、ニュースのテーマである後期高齢者医療制度の調査に関する記者発表時のもので、こちらは正しい。
2枚が同画面にあるのだから、私たち視聴者には垂れ流しされた一瞬の映像であっても、制作・編集サイドの人間が見れば、「不自然さ」に気づかないはずはないだろう。
果たして、一定の意図なくして、こんな「ミス」ができるのだろうか。

また5日の「謝罪」時に再現した放送では、写真Aから「7割の世帯が負担減」の文字の部分は消え、写真A・Bが同時掲載された部分も、割愛されていた。
まるでケアレス・ミスを信じ込ませるために、不都合な部分を割愛したように見える。
さらにいえば、3人の写真Aだけをアップで繰り返すことで、後期高齢者医療制度に関する(報ステなりの主張に沿った)「イメージづくり(=世論誘導)」に拍車をかけることを意図したと考えられる。

5日の古舘氏の謝罪シーンをテープ起こししてみた。
「こういった基本的な間違いが度重なれば、これは、視聴者の皆様方を欺くことになってしまいます。皆様方の信頼なくして、番組などありえません。深く反省して精進したいと思います。申し訳ありませんでした」

たいへんにご立派で正論。
しかし、週明けの月曜日(9日)には、もう一度「画像挿入の間違い」を釈明することになる。ちなみに5日の段階では、「自民党からの抗議があった」という事実は伏せられている。
おそらく報道ステーションの制作サイドでは、放送当日、自民党からの抗議とかりゆし写真に関する間違いについては無視し、厚労省画像の部分のみ訂正・謝罪する申し合わせがあり、その線に沿った謝罪が行われたと推測できる。
またシカト……あるいはウソの上塗り?
すでに画像挿入の間違いを「度重ねて(古舘発言より)」いることを隠した報道ステーション。きっとこの件についても「シカト」するに違いない。

次回は、9日の古舘「釈明」と市民の反応について。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

どう見ても故意に入れた「かりゆし談笑」ーー古館vs自民党(1)

Photo

続きを読む "どう見ても故意に入れた「かりゆし談笑」ーー古館vs自民党(1)"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年6月12日 (木)

ねじれ「問責」の陰で13重要法案可決!

6月11日、民主党・社民党・国民新党の3党が提出した福田首相に対する「問責決議案」は参議院本会議で野党の賛成多数で可決された。翌12日の新聞各紙(全国紙)では、それぞれに大きく扱われていたものの、「宝刀の重み消え形骸化」(朝日)、「民主『儀式』、自民は軽視」(毎日)、「色あせた最強カード」(読売)、「小沢氏の“挑発”不発」(産経)など、小沢氏の目論見は、おおむね不発に終わったという見方だ。
「福田康夫首相問責決議案可決」について、11日の「報道ステーション」(テレビ朝日)では、7分42秒、「NEWS23」(TBS)では、オープニング等を含み、6分53秒の時間を割いた(資料:「テレビブログ」より)。
「報道ステーション」では
  【発  言】民主党・簗瀬進参院国対委員長
  【会  見】民主党・小沢一郎代表、福田康夫首相
  【コメント】自民党・平沢勝栄議員
「NEWS23」では
  【発  言】民主党・鳩山由紀夫幹事長、簗瀬進参院国対委員長、福田康夫首相、自民党・吉村剛太郎参院政審会長、小泉純一郎元首相
  【会  見】民主党・小沢一郎代表、自民党・息吹文明幹事長
  【コメント】社民党・福島瑞穂党首
  【電話コメント】町村信孝官房長官
──という構成だった。
2大政党制が射程に入った衆院選を前に、視聴者のメディアリテラシーや有権者の投票行動に、どちらの番組が資するかを考えれば(この日の問責報道に限って言えば)、多様な立場の意見を採り上げていた方に軍配があがるだろう。

ところで、この2大ニュース番組を見ていて気がついたのが、同じ参議院本会議で13法案可決されたことについて、報道ステーションでは「オウム被害者救済法・成立」について触れただけで、他の法案には触れていなかったこと。NEWS23では、「改正少年法など13法案成立」のコーナーを設けて報じたほか、「有害サイト規制法案・成立」については、医師やデジタルコンテンツ制作会社、携帯・PCのプロバイダなどのコメントのほか、町村信孝官房長官の会見や民主党・玄葉光一議員の発言を盛り込むなど力の入ったものだった。

「ねじれ国会」のなか、問責決議案可決で国会審議が事実上止まることへの国民からの批判を回避するため、与野党一体となった「スピード可決」(「駆け込み処理」ともいう)。少年犯罪やペットフードの安全性、インターネットの有害サイト、アスベスト等、どれも昨今の社会問題や弱者救済の動き、世相や生活を反映した重要法案だ。番組制作者は、日々たくさんのニュースのなかから情報を取捨選択して番組を構成しなければならないことも、表現・編集の自由も理解している。しかし重要法案さえ割愛してしまう「報道姿勢」が闊歩していることには疑問を抱かざるをえない。
こうして2006年6月の「後期高齢者医療制度」成立も看過されてきたことを、私たちは忘れてはならないだろう。

※ ちなみに6月11日参議院本会議でスピード可決された「主な法案」は、以下の通り(順不同・法律名は通称等)。
【議員立法】
オウム真理教被害者救済法/青少年有害サイト規制法/改正地震防災対策特別措置法/改正被爆者援護法/ハンセン病問題解決促進法/改正石綿健康被害救済法/改正携帯電話不正利用防止法/改正地方自治法
【政府提出】
改正少年法/改正特定商取引法・割賦販売法/愛がん動物用飼料安全性確保法/改正空港整備法・航空法/改正学校保健法
【事後承認案件】
特定船舶入港禁止の実施/北朝鮮からの貨物に輸入承認義務を課す措置

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月 7日 (土)

「シカト」はお家芸──報ステ・スタイル

Photofurutachi_2

続きを読む "「シカト」はお家芸──報ステ・スタイル"

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2008年5月21日 (水)

戦犯は小泉内閣だけか。後期高齢者医療制度をめぐって

4月に後期高齢者医療制度(長寿医療制度)がスタートして以来、道路特定財源問題を経てもなお与党支持であった人のなかからも、政府批判が続いている。
後期高齢者医療制度の報道については、お年寄りへのインタビューが主で、お年寄りばかりでなく多くの国民が、“等身大の憤り”をもって迎えている。いま報道のなかで繰り返されているのは、与党の「広報不足・説明不足だった」という言い訳と、知らなかったお年寄りたちの悲鳴。山口2区補選の際をはじめ与党内からも批判の声が挙がっている。また小泉内閣の時限爆弾などという表現もあり、見直しされることもあってか、あたかも「戦犯は小泉内閣」という様相を呈している。
それでは、2年前に決まったというそのとき以来、制度開始が秒読みに入るまで、「なぜ私たちは知らされないままであったのか」。
これを探るため、我々は医療制度改革法案が成立した2006年6月14日、及び翌15日発行の在京新聞各社の報道(東京版)を確認してみた。
*調査対象=読売・朝日・毎日・産経(・共同通信)=見出し等添付pdf参照

★新聞各紙の記事を通読したところ──
 ■記事の趣旨は「高齢者の負担増」が中心。
 ■「後期高齢」という表現を使っているのは、共同通信のみ。
 ■保険料の「年金天引き」について、触れている記事は皆無。

ということがわかった。

すべてに目を通して感じたのは、多くの新聞社ではあまり重要視されていないニュースだったらしいこと。また、いま問題視されている「後期(高齢者)」という呼称や、滞納者に対し保険証取り上げも懸念される保険料の「年金天引き」について、問題視している記事はなかった、ということだ。
2年前のTVニュース報道については、検証の術がないが、新聞よりエンターテイメント性が重視されるメディア特性からして、あまり大きく扱われなかったことが推測されるだろう。
この時期に、医療制度改革関連法案について、積極的に報道していたのは「強行採決」の文字も躍った共産党の政党機関誌『しんぶん赤旗』。6.13の「医療改悪法案で狙う『後期高齢者医療制度』」の記事中に「年金天引き」が明記されていた。

果たして「説明不足」は政府・与党だけだったのか。
現在浮上している問題点は、なぜ報道で取り上げられなかったのか。
成立時の報道で「後期高齢者」「(保険料)年金天引き」が大きく取り上げられ、その内容が、お年寄りをはじめ国民に届いていれば、もっと早くに、世論が大きく動いたのではないか。

2007年参院選のマニュフェストをみると、自民党は「医療制度改革法に基づいた医療保険制度体系の見直しを行う」と言及しているが、民主党では争点とした形跡はない。またいま民主党が公表している「政権政策の基本方針(政策マグナカルタ)」にも、盛り込まれていない。
民主党では、制度見直しに着手した政府・与党に対し「見直しを始める前に、お年寄りの方々の心を大変傷つけたことに対して、お詫びからスタートすべき」と猛省を促した(鳩山由起夫幹事長/5月16日定例会見)。
なぜ、いまになって声高なのか。「総選挙決戦」前にみつけた「新ネタ」であることはいなめないだろう。またこの民主党の姿勢が、報道各社の報道内容に影響したのではないかと考えるのはうがちすぎだろうか。

ちなみに、本法案の閣議決定「健康保険法等の一部を改正する法律案要綱」(2006年2月10日提出)には、「市町村による保険料の徴収には、特別徴収(老齢等年金給付の支払いをする年金保険者に保険料を徴収させ、納付させることをいう。)の方法によるほか、普通徴収の方法によること。」(P27より抜粋)と明記されており、毎日新聞ではこの時点で、「後期高齢者すべて加入し、年金から保険料が天引きされる新たな高齢者医療制度を創設する」(2006.02.10東京夕刊)と報道していた。

報道・ジャーナリズムの使命は「権力監視」といわれる。
言い換えれば、国民の立場にたって、それを感じ、伝えることだろう。
多くの報道陣は、市民感覚として、何も、感じることがなかったのか。
もちろん我々は、後期高齢者医療制度の見直しに期待する者だ。
しかしあらためて、いまの後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の「報道“量”」を振り返るとき、メディアの送り手諸氏に、「あのとき」「なぜ」を問い返したいと思うのだ。

続きを読む "戦犯は小泉内閣だけか。後期高齢者医療制度をめぐって"

| | コメント (5) | トラックバック (1)

2008年5月 2日 (金)

道路特定財源とBPOへの検証要請

光市母子殺害事件について、BPOホームページで意見レポートを調べている際、「第11回放送倫理委員会議事概要」(3月14日開催)のなかで、道路特定財源をめぐる報道について、自民党が検証要請をしていたことを知った。
新聞報道等を検索してみると、2月28日NHKニュースに「テレビ朝日“道路”番組 自民『事実誤認が著しい』BPOに申し立て」とあり、2月26日のスーパーモーニング(テレビ朝日)でコメンテーターが「道路予算の5%は政治家に還元されている」と発言したことや、1月30日放送の「ワイドスクランブル」でも橋やトンネルなどに自民党の役員の名前を冠して顔写真付きで紹介するなど、偏った編集やコメントは(政治的公正を定めた)放送法に抵触するおそれがある……というものだったらしい。
しかしながら、この検証要請は、第11回放送倫理検証委員会で審議され「この番組に委員会で取り上げて是正を求めなければならないほどの放送倫理違反があるとまではいえない。以上のことから、委員会では審議・審理しないこととした。」(前掲議事概要)と、審議が見送られたことを記している。

それにしても──
光市事件報道に関する意見レポートといい、自民党が検証要請をしていたことといい(審議見送りも)、なぜ我々に届くニュースにならないのだろうか。大きなニュースになっていれば(「男児の裸」同様にWebニュースの上位にくるような)、我々視聴者は、テレビ朝日の報道内容に対し、少なくとも自民党が検証を要請するほどの内容が含まれるという認識をもつことができるだろう。

我々「報道とメディアを考える会」では、遅きに失したとはいうものの、テキスト版やブログ・映像アドレス等「おぼろ大橋レポート」を資料としてBPOに送付することを決めた。自民党の主張や放送法うんぬんというよりは、放送局への調査など、事実検証を行えるのはBPOをおいてほかにないし、BPOが視聴者保護の立場で問題に取り組み、メディア・リテラシーに資することのできる有益な組織であると信じているからだ。

ちなみに自民党の検証要請の際、細田幹事長代理が記者会見を行ったこともあり、朝日、読売、毎日、サンケイ、東京、共同通信など、新聞各紙には、記事が掲載されていた(3月1・2日)。しかしながら、いずれも200字前後のいわゆるベタ記事と呼ばれる目立たない記事。「(検証)要請」のなかみは不明だが、「申し立て」と表記をしているものも少なくなかった。BPOのいう「検証要請」と報道の「申し立て」とは微妙にニュアンスが異なる。また、審議見送りについても同様にベタ記事(3月14・15日)ばかりだったことを申し添えよう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月24日 (木)

誠橋報道はヤラセか? テキスト版おぼろ大橋レポート

「0328.pdf」をダウンロード

続きを読む "誠橋報道はヤラセか? テキスト版おぼろ大橋レポート"

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年4月19日 (土)

道路財源の聖域 「白鳥大橋」

続きを読む "道路財源の聖域 「白鳥大橋」"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年4月15日 (火)

割愛される情報。おぼろ大橋と白鳥大橋

1010301_1851_2

続きを読む "割愛される情報。おぼろ大橋と白鳥大橋"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年3月29日 (土)

加藤千洋氏の緊急(?)中国取材に注目

Photo

続きを読む "加藤千洋氏の緊急(?)中国取材に注目"

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年3月24日 (月)

世論調査の迷宮〜自民党支持率はアップ!

_1

続きを読む "世論調査の迷宮〜自民党支持率はアップ!"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月22日 (土)

質問の仕方にバイアス?〜内閣支持率・世論調査

Jnn_2

続きを読む "質問の仕方にバイアス?〜内閣支持率・世論調査"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年3月19日 (水)

ゴミがうんだゴミが国会へ?

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)Book「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

著者:谷岡 一郎
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

続きを読む "ゴミがうんだゴミが国会へ?"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年2月18日 (月)

準備中

はじめまして。
「報道とメディアを考える会」世話人のmico fujiyamaです。
ただいま、メンバー一同、ブログにアップする記事を準備中です。
もうしばらくお待ちください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)